これからWebライターを目指す人にとっては、ChatGPTをはじめとする生成AIの登場によって「今後Webライターの仕事は減るの?どうなるの?」と不安に思う気持ちがあるでしょう。
調べてみても、仕事が奪われることで減るという予想もあれば、意外にも増えると予想する人もいます。
果たして、実際はどのようにWebライターの需要が変わっていくのか。AI時代に需要が増えるWebライターの条件も併せて解説します。
AIの登場でWebライターの需要はどうなる?
結論からお伝えすると、AIの登場で需要が減るWebライターと、増えるWebライターで二極化するでしょう。つまり、冒頭で書いたような一般的な予測は、実はどちらも正解なのです。既に、需要の変化は少しずつWebライティング界隈でも波及していっています。
AIが文章を書けるからといって、一概にWebライター全体の仕事が取って代わられるといったことはありません。ただし、AIが文章の作成を得意としていて、一部のライティング業務においては効率的にこなせることも事実です。大切なことは、人工知能ができることは代替され、人工知能ができないことを人間がやる。これを理解しているかどうかです。
ただ文章を書くだけの仕事は、いずれAIに奪われていきます。今後も需要が変わらない、もしくは逆に増えるWebライターがいるとすれば、それは次の条件を満たす人材になります。
今後も需要が増えるWebライターの条件
AIが不得意とすることを突き詰めれば、人間にしかできない仕事は変わらず需要があるでしょう。では、どんな能力やスキルが備わっていれば、今後も需要が増えるWebライターになれるのか。具体的には以下の4つが最低条件になります。
- 書くだけではなく記事を“作成できる”
- 作成した記事の品質を評価できる
- 得意とする専門分野を持つ
- AIと敵対せず共存する考えを持つ
効率的な仕事ではなく、どれだけ効果的な仕事を意識できるかがポイントです。Webライターは記事を書くことが仕事の本質ではないため、作業という感覚を如何に取っ払えるかで大きく変わります。
書くだけではなく記事を“作成できる”
既にAIに仕事を奪われれているWebライターの多くは、記事を書くことが仕事だと認識している、もしくはそのような仕事しかしてこなかった人たちです。前述のとおり、ただ書くだけであれば、今も進化を続けるAIが今後よりその仕事を奪いやすいことは明白です。
記事は書くものではなく“作成する”ものです。文章は表現の一つにすぎません。情報を扱ううえで「どうしたらもっとも伝わりやすく、わかりやすい記事になるだろう」を追求すると、ときには図解や表、箇条書きなど様々な表現方法を駆使することになります。
書いて満足してしまうWbライターは、その記事が最終的に何のためのものかを見失いがちです。読者の助けになり、ひいてはクライアントにも利益をもたらす。Webライターが作成する記事をきちんとコンテンツと認識することは、今後も需要を減らさないWebライターの条件の一つです。
作成した記事の品質を評価できる
記事は作って終わりではなく、世の中に公開してからが本当の役割です。そもそも読者に届くかどうか、どのように見られたか、見られた結果読者やクライアントどうなったのか。これらが仕事の結果になります。そのため、記事が求めている役割に沿っているかを検証せずに、「意味にある仕事をしたのか?」を知ることはできません。
多くのWebライターは、記事を書くことをゴールにしています。クライアントに納品して終了。その繰り返しが常態化していることで、自身の生み出したコンテンツの本当の品質を評価できないままになってしまっています。
読者にとっては「必要としていた情報」であり、クライアントにとっては「利益をもたらす記事」が真に求めるものです。仕事の依頼自体は記事の作成かもしれませんが、その先の効果にまで介入し、検証などPDCAを回せるWebライターはむしろ上流工程の仕事が増えていくでしょう。
得意とする専門分野を持つ
資格を持っていたり、特定の業界・業種で長い経験を持っていたり、得意とする専門分野を持つWebライターは引き続き需要があります。AIはWebライティングを効率化しますが、決して完璧ではないため、ときに不確実な情報をアウトプットします。このいわゆるハルシネーションを解消するには、人間による校閲が必要であり、さらに専門分野を理解できる知識も必要になります。
専門分野に特化していれば、記事作成の需要は変わらないことに加え、AIを上手く活用しようとする企業からはファクトチェックといった編集領域の新たな相談が増える可能性が高いです。
AIと敵対せず共存する考えを持つ
最後に、実はこれはもっとも大切な考え方です。「仕事を奪われる」と発想する人は、その言葉選びのとおりAIを敵対する存在だと決めつけているでしょう。しかし、このようなテクノロジーの発展は人類の生活を豊かにするものであり、誰かを損させたり脅かすことが目的ではありません。
つまり、AIは私たちの味方であり、Webライターにとってもそれは変わらないということです。けれど、「実際には仕事が減ってしまう人も存在している」と思うでしょう。一部では、たしかにその通りです。しかし、それは前述のようにAIで効率化・自動化できる仕事にこだわろうとするからこそ発生するものです。
機械にできることに対抗するから、味方のはずのテクノロジーを上手く活用できないのであって、それを以って自分の仕事をどのように上手く・工夫できるのかに考えを巡らせるべきです。
ガラケーがスマホに変わったように、常に同じ技術・生活・常識なんてことは往々にしてありません。Webの世界はとくにトレンドの変化が激しい。だからこそ、AIと敵対せず共存する考えを持つ人が、時代に合わせて必要な能力を備えていけるのです。
Webライターは将来性がある仕事
ここまでお伝えした内容は、実はAIの登場ではじめて起きたことではありません。元々、ただ記事を書くだけのWebライターは何年も前から少しずつ淘汰されてきました。それが、AIというゲームチェンジャーの登場によって、大きく表面化しただけの話なのです。
クラウドソーシングの隆盛期には、登録してエントリーすれば誰でもWebライターになれることから人気の職業になりました。主に検索エンジン対策のための記事を書き、当時は今ほど検索エンジンは賢くなかったため、例え品質が低かったとしても、記事を書いて納品するだけで一定の需要はありました。
しかし、検索エンジンの高度化によって記事に求められる要件も高まっていき、読者の課題を解決できる“高品質な記事”を作成できる、一部のWebライターのみが需要を総取りしていくようになりました。
こうした変遷を踏まえて、AIが今よりも賢くなれば需要の二極化は今後も加速するでしょう。Webライターは将来性がある仕事です。ただし、それは前述した条件を満たせれば…の話なのです。
将来性のあるWebライターになるには
最後に、将来性のあるWebライターになる方法を解説します。知識としてはわかったという人でも、では一体なにから始めればいいのか迷ってしまうでしょう。Webライターとひとえに言っても種類は様々です。
そこで、どんなWebライティングであっても共通するノウハウや考え方を2つに絞ってお伝えします。
- いつまでに・どうなりたいのかを明確にする
- プロから学ぶのが確実で最短
実際に目指すにあたっては、どうやって学習するのか、どうやって実績を積むのかなど実務的なノウハウも必要です。ただし、具体的なやり方以前に正しいマインドセットを身に付けていないとWebライターとして成功でき可能性は低いため、今回はそういった面から見て大切なことに限定しています。
いつまでに・どうなりたいのかを明確にする
当たり前のことですが、まずは「いつまでに」「どうなりたいのか」を明確にすることからです。将来性という言葉は漠然としたもので、人によって1年先かも知れないし10年先かも知れない。つまり「Webライターの将来」を、いつ、どのタイミングで見据えているかによって、今やるべきことは変わってくるということです。
1年後にはプロのWebライターとして活躍しており、向こう5年間は変わらず需要がある状態を継続したいなど、なるべく具体的な目標は合った方が良いです。「いつまでに」がハッキリせず、正しい行動や選択ができない間に、将来はさらに先延ばしになっていきます。
独学で学ぶにしても、講座や学校で学ぶにしても、なんとなく進めているだけでは真剣みに欠けますし精度も高まりません。明確な目標から逆算して、今やるべきことや次にやるべきことを棚卸し、できるだけ現在地を把握できる状態にするのが理想です。目標がなければ、今この場所がどこなのかもわからなくなってしまいがちです。
プロから学ぶのが確実で最短
Webライティングを学ぶ方法はいくつもあります。独学の場合は本を読む、YouTubeを見る、とりあえずクラウドソーシングでエントリーしてみるなど、やる気があれば今すぐできることは多いです。
もちろん、独学で学んでも、講師や講座などから学んでもそれぞれメリットとデメリットは存在します。本気度を探るために、まずは手頃なところから時間をかけて試していきたい人は独学でやってみるべきですし、既に「こうなりたい」という目標が定めっているのであれば、プロから学ぶのが確実で最短な方法です。
ただ一点、忘れてはならないのは、こうしている間にも世の中は常に変化しているということです。
「遅いよりは早いが良い」
「始めたときがもっとも若い」
Webライターに限った話ではありませんが、これらの一般通念はとくにWeb業界では強い意味を持ちます。そのため、実際に今現場で活躍しているプロから学べる機会があれば、それを上手く利用するのがよいでしょう。